【海外で働く】何を学べばいい!?CGアーティストとしてハリウッド映画に携わる為に学ぶべきスキル・ソフトウェアとは?

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はじめに。

こんにちはマサです!!今回は海外でCGアーティストとして映画に携わってみたいと思っている方に向けて、実際に就職する為に”何を学ぶべきか”という部分に焦点を当ててまとめてみたいと思います。CGといってもたくさんの職種やソフトウェアがあるので、漠然と映画に携わりたいと考えた時にどんなスキルを磨くべきなのかわからない方もいると思います。僕自身も日本ではモーショングラフィックスを作る仕事をしていたので映画業界で働く為にどうすべきか最初はよくわかりませんでした。そこで、僕が海外のCG学校で学んだ事を中心に必要なスキルをざっくりと説明させていただきます!!あまりCGの知識に詳しくない方にも理解しやすい様になるべくわかりやすくまとめたつもりなので参考にしていただけたら嬉しいです!!

本気で海外就職を目指すのであれば就職したいスタジオが実際にどんなソフトウェアを使っているのか、調べてそれを学んでおくとアドバンテージになります!!
モデリングやアニメーションに関してはMayaを使っているスタジオが多いのでBlenderしか使った事がないという方は正直海外大手VFXスタジオへの就職が難しいです。必ずMayaも使える様になっておきましょう!!

1.ハリウッド映画に携わる為に必要な技術とは?

海外CGスタジオでの就職を目指すにあたり重要な事は、何かの技術に特化する事です。多くのスタジオではモデラー、テクスチャーアーティスト、コンポジター、FXアーティスト、ライティングアーティスト等多数の職種のアーティストが働いており、それぞれのスキルに特化した人が集まって一つずつのショットを作り上げています。そこでまずは自分がなりたい職種を決め、それに必要な技術を学ぶ事が必要になります。
少し自分自身の事を紹介させていただくと、僕の場合は前述させて頂いた通りモーショングラフィックス制作の仕事をしていた為、日本で働いていた時にメインとして使っていたソフトウェアはAdobe After EffectsやPhotoshop、premiere proといったものになります。3D系の映像製作にはCinema4Dも使用していました。しかし映画業界で働きたいと考えた時にCGに対してもっと知識を深めてスキルアップしないと海外でのスタジオで働く事は難しいと感じたので、まず初めにカナダにあるVancouver institute of media artsというCGの専門学校で1年間勉強してから現地での就職を始めました。以下実際にハリウッド映画で主に使用されているソフトウェア(必要なスキル)、そして僕が現地の専門学校で学んだ事をざっくりとまとめてみました。

NUKE

コンポジターを目指す方には必須のコンポジティング(映像の合成)用のソフトウェアです。日本ではコンポジティングにAfter Effectsを使用している会社も多々ある様ですが、海外では一般的にNUKEが使用されています。After Effectsとの一番の違いは、NUKEがノードベースのソフトウェアであると言うことです。元々レイヤーベースのソフトウェアを使っていた僕にとっては初めて触った時に、今まで簡単にできていた事がノードで再現できないというとても強いフラストレーションにかられた事を覚えていますが、ノードベースでの編集は作成済みのノードの設定を簡単に他で使いまわせたり、ノードツリーを辿ればどんな変遷を経て最終結果が構成されているのかがわかりやすい等々レイヤーベースのオペレーションには無いメリットがたくさんあります。少し専門的な内容になってしまいましたが、海外での就職を目指す場合はかなり重要なソフトウェアになるので、コンポジター以外の職種を目指す方であっても基礎的な部分は理解している様にしておく事をオススメします。
マットペインターを目指している方もNUKEを使ったカメラプロジェクションのスキル等が必要になる事があります。
該当職種コンポジター、マットペインター、CGジェネラリスト等
ソフトウェアの特徴ノードベース、マルチチャンネルコンポジティングが得意、海外のスタジオではコンポジティングソフトとして多用されている。
在学時に学んだ主な技術カメラトラッキング、カメラプロジェクション、カラーグレーディング、キーイング、マルチチャンネルコンポジティング

MAYA

CGのモデリングだけでなく、レイアウト、ライティング、リギング、アニメーション、クロスシミュレーションに至るまで様々な用途で使用されています。3DCGに特化したソフトウェアは多々あると思いますが、最も多くの海外スタジオで使われているものの1つがこのAuto deskのMayaだと思います。たくさんの機能を備えているので、全ての機能を習得するというよりは自分の目指す職種に特化した機能を中心に学ぶ事をオススメします。

該当職種モデラー、CGジェネラリスト、ルックデブアーティスト、ライティングアーティスト、エンバイロメントアーティスト、アニメーター、リガー、グルームアーティスト、CFXアーティスト、コンセプトアーティスト等
ソフトウェアの特徴有名な3Dモデリングソフト。機能がたくさんあるので何かに特化する事が重要。
在学時に学んだ主な技術モデリング、UV展開、物理シミュレーション、リギング、カメラプロジェクション、ライティング、ルックデベロップメント

関連記事:【MAYA】パイプやチューブの形状を作る

【MAYA】カーブを使って紐やパイプ、チューブを作る方法。Attach brush to curve機能も便利です!!!

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Autodesk(オートデスク)

MARI

3Dモデルに色を塗る為に使用されるテクスチャリングソフトウェアです。機能的にはphotoshopに似ていて、レイヤーベースで立体物に色を塗る事ができます。そしてレイヤーのみならずノードベースでもテクスチャリングできるので、プロシージャルな(タイリング等効率的なテクスチャリング)方法で複雑なモデルに色を塗ったりする事も出来て便利です。多くの海外スタジオで使用されています。

該当職種テクスチャーアーティスト、モデラー、CGジェネラリスト、ルックデブアーティスト、エンバイロメントアーティスト、コンセプトアーティスト
ソフトウェアの特徴テクスチャリング用ソフト。レイヤーもノードも使用できる。細かいディティールを塗る事に長けている。
在学時に学んだ主な技術ノードの使用方法、AOやcurvature map等のベイク、プロジェクションを使用したペイント、各チャンネルの塗り分け(Albedo/roughness/bump/speclar等)

Substance painter

こちらもMariと同様3Dモデルに色を塗る為に使用されるテクスチャリングソフトウェアです。スマートマスクやスマートマテリアル等の機能が充実していて汚れや錆び等のクオリティーの高いディティールを簡単に作成する事が出来ます。前述のMariと同様沢山の海外スタジオで使用されています。

該当職種テクスチャーアーティスト、モデラー、CGジェネラリスト、ルックデブアーティスト、エンバイロメントアーティスト、コンセプトアーティスト等
ソフトウェアの特徴テクスチャリング用ソフト。サビや汚れ等のディテールを比較的簡単に作成できる。
在学時に学んだ主な技術AOやcurvature map等各マップのベイク、各チャンネルの塗り分け

Zbrush

クリーチャー(生物)や木、崖、岩等、形状が複雑なモデルを作成する場合に使用します。スカルプティングと言って粘土をこねたり掘ったりする感覚でデジタル彫刻をするソフトウェアです。作業には多少のコツが必要なので慣れるまで少し時間がかかりますが、自分の思い通りに形状を彫刻できる様になってくるととても楽しいです。しかし、zbrushを使用してつくるモデルはカメラから近距離で使用されたり、ディテールが必要とされる事が多くそのぶんポリゴン数も多くなるので、ディスプレイスメントマップを使用したローポリゴンでのワークフローやUV展開等メインのスカルプト以外のワークフローや機能も併せて勉強する事が重要になります。

関連記事:【Zbrush】画像ダウンロード可能!!よく使うおすすめショートカット38選をまとめました。

関連記事:初心者でもわかりやすい!!!Zbrushでディスプレイスメントマップを作成してMayaで適用する方法まとめ。

該当職種モデラー、CGジェネラリスト、エンバイロメントアーティスト、コンセプトアーティスト等
ソフトウェアの特徴デジタル彫刻ができる。彫刻スキル以外にもポリゴン数のマネジメントやディスプレイスメントマップ作成等のスキルが重要
在学時に学んだ主な技術スカルプト方法全般、UV展開、ディスプレイスメントマップのベイク、project all、デシメート等

Houdini

主にエフェクトアーティストが物理的なシミュレーション使っている印象がありますが、その他プロシージャルモデリングや、レイアウト(多数のアセットのscatter等も含む)、グルーミング、群衆シミュレーション等本当にたくさんの事を実現できる大きな可能性を秘めたソフトウェアです。できる事が多いぶん非常に多機能でもあり全体的に機能を思い通り使いこなせる様になるまでにはかなりの時間を要するのではないかと思います。ノードベースであり、プログラミング的な要素も使いやすく実装されているので結果にたどり着くまでのアイデアが重要です。現在僕が勤務しているMr.Xではルックデブ(レンダリング結果をリアルに近づける作業)やショットのライティングでもhoudiniを使用しています。

該当職種FXアーティスト、CGジェネラリスト、ライティングアーティスト、エンバイロメントアーティスト、CFXアーティスト、グルームアーティスト等
ソフトウェアの特徴主にエフェクト(物理シミュレーション)で使われている。ノードベース。たくさんの事を具現化できる反面非常に多機能。
在学時に学んだ主な技術水等の物理シミュレーション。

Photoshop

みなさんご存知のとても有名なadobeのソフトウェアです。映画業界では主にマットペインティング(実写映像と背景画を合成する技術)で使用されています。

該当職種マットペインター、コンセプトアーティスト、テクスチャーアーティスト、コンポジター等
ソフトウェアの特徴映画業界では主にマットペイントで使用される。
在学時に学んだ主な技術主要な機能全般。マスク、コピースタンプ、プロジェクション用のセットエクステンション等

2.最後に

いかがでしたか?今回まとめさせていただいたのは主なものだけであり、実際に海外のスタジオではこの他にもたくさんのソフトウェアが使用されています。僕は今までMoving picture campanyとMr.Xでエンバイロメントアーティスト/アセットアーティストとして働いてきましたが、今回紹介させていただいた7つのソフトウェアは日常的にほぼ全て使用していますし、その他にもspeed tree等の特定のものを作る事に特化したものを使う事もあります。どのソフトウェアも多機能なので自分なりにある程度使える様になるまで時間がかかりますがそこは自分の夢や目標を叶える事をモチベーションに頑張りましょう!!!

僕も専門学校時代は覚える事が多すぎて卒業までの1年間何度も頭がパンクしましたし、なかなか思い通りの結果にならず投げ出したくなった事が何回もあります(本当に何回も。。。汗)そもそも最初は英語もわからず、先生が言っている事もよくわかっていない事もしばしばでした。。。それでも死ぬ気で勉強して食らいつけばなんとかなります(もちろん休日や祝日も全て勉強するぐらいやりましょう!!! 笑)しかしその様にして映画業界での職務経験ゼロの僕でも海外就職を果たし、ハリウッド映画に携わる事ができました。全ては自分の意志の強さ、そして行動次第だと僕は強く思っています。
カナダのCG専門学校卒業時、クラスメイトと

CGを学ぶ上で一番大切な事は、CGの仕事はとにかく勉強しなくてはならない事がたくさんあるので、その中で自分が何に特化するか、何を重点的に勉強して自分の価値を高めるかという部分だと思います。海外のスタジオでは日本に比べて作業が分業化されている印象があり、それぞれの分野のスペシャリストが集まってクオリティの高い映像を作り出しています。その様な環境で必要とされる人材になるには人より秀でた何かがなければなりません。そこでこのまとめ記事が海外就職の参考のひとつとして役に立てば嬉しいです。

今回のまとめ
・職種によって必要なスキルは異なる。
・勉強しなければならない事は多数あるので、その中で自分が何に特化するかを定めて重点的にスキルアップする。
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