映画のCGはどんな流れで作られているの!?海外の制作現場のワークフローを紹介します!!

はじめに。

こんにちはマサです。映画を映画館に観にいく事はあっても制作の現場をみる事ってなかなかないですよね!!そこで今回は海外のVFXスタジオでどのように映像が作りあげられていくのか、その作業の流れを紹介させて頂きたいと思います!!僕も日本にいた頃は映画がどの様にできあがっていくのかすごく興味がありました。もちろん海外で働くという事は僕も働いてみるまでは全くイメージできなかったです。
それから実際に数年働いてみて日本との職場の空気の違いもすごく感じていますし、文化の違いから驚くこともたくさんありました。そして映画の制作にはとても膨大な手間と時間がかかっている事をすごく実感しながら働いています。
 
この記事では映画のVFXが作りあげられていく大まかな流れと共に、特に僕が海外のVFXスタジオで働く上で重要だと思う事もまとめてみたので、これから海外での就労をしたいと考えている方もぜひ参考にしてみてくださいね!!それではいってみましょう!!!

1.VFXスタジオでの仕事の流れ

初めに映画のVFXの制作の流れを大まかに説明したいと思います。海外のCG制作の現場ではそれぞれの分野に特化したアーティストが集まり、バトンリレーのような形で作業が進んで行きます。
基本的に1つのショットを1から最後まで1人で作り上げるという事はなく、モデリングをする人、アニメーションを作る人、テクスチャを作る人、ルックデベロップメントをする人、ライティングをする人、エフェクトを作る人、コンポジティングをする人といった形で各専門スキルを持ったアーティスト達が自分の仕事をして次の人に受け渡す事で最終的に高いクオリティの映像を作り出しています(もちろん中にはジェネラリスト的な人もいますし、広範囲なタスクを要求される事もあります)

大きなプロジェクトであれば数秒のショットに対して何十人ものアーティストが携わっていたり、100回以上の修正が行われているなんて事も珍しくありません。それだけ時間とお金がかかっているからこそ、映画の映像はクオリティが高いんですね!!!初めてそれを知った時は本当に予算の規模が違うな感じたのと、これだけスキルの高い人たちが時間をかけて作ったらそれは質の高い映像ができるわけだと納得がいきました。

映画のCGができるまでの流れ まとめ・1人のアーティストがすべての作業を行うわけではない
・各専門スキルを持ったアーティストがバトンリレーの様な形でショット毎に作業を引き継いでいく
・数秒のショットにたくさんのアーティストが携わっている
パーソナルワーク『Trex』の例
パーソナルワーク『Capitol』の例

2.各アーティストの仕事の流れ

先ほどVFXの制作にはたくさんのアーティストが関わっているという事を紹介させていただきましたが、では実際にどの様な形で各アーティストの作業が進んでいくのでしょうか。こちらも流れを図にしてみました。

職種によって多少の違いはあるかもしれませんが、以上が通常のアーティストの大まかな作業の流れになります。どのスタジオにも現在の自分の作業の進捗を共有できる場所があります。

簡単に身近なもので例えると、社内で皆の作業の進捗を見られるYoutubeやVimeoの様な、映像をアップできる共有の場所です。そこに自分の作業した進捗の動画や画像を随時アップしてスーパーバイザーに見てもらう事になります。これをデイリーと言い基本的に毎日の様に行われます。スタジオにはシアタールームがあり大きなスクリーンに自分の作業の進捗を映しながら皆と一緒にレビューしたり、各アーティストのデスクに直接スーパーバイザーが確認に回る事もあります。そしてスーパーバイザーからOKが出る(現地ではよくapproveをもらうと言います)まで修正を繰り返します。

3.海外スタジオで効率良く作業する上でとても重要な事

さて、ここまでざっくりとした作業フローを紹介させて頂きましたがこれまでの経験を踏まえて僕が海外のVFXスタジオで効率良く働く上でかなり重要だと思っている事があります。それがこちらです!!
 
・同僚と積極的にコミュニケーションをとって色々と聞きやすい状況を作る事を常日頃から心がけておく
・VFXの基本的な作業の流れを勉強しておく
・パイプラインの流れの大筋を整理しておく
 
これは特に僕の様に元々映画業界で働いた事がなかった方、そして英語が苦手だったという方にはとにかく意識的に押さえておいてほしいポイントです。
 
まず、英語のスキルがネイティブレベルでない場合自分に与えられたタスクを正確に細かく把握するという基本的な事がそもそも難しいです。日本では考えたこともないぐらい当たり前のステップでしたが、僕はこの段階にとても苦労してきました。特に働き始めの頃は指示をもらっても具体的に英語が理解できないという事が多々あり、そもそも自分の解釈が合っているのかわかっていない状態で作業が始まるなんていう事もよくありました。ゴールが明確に見えていないのに作業が始まるって地獄ですよね。。。笑 不安感が半端じゃないです。。。
 
更に注意すべきなのはCGの制作をするにはたくさんのソフトウェアの知識や会社の独自のパイプライン(制作の過程で決められたルールや構造)をある程度理解していないと、与えられた指示に対してどの様なワークフローでそれを実現するべきなのか自分の中でイメージできないという状態になってしまう事です(汗) 作業内容も具体的にわかっていない上にワークフローもイメージできないとなるとこれは結構致命的にまずいです。職種にもよりますが仕事の内容がジェネラリストに近ければ近いほどより多くの知識が必要になります。

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しかし困っている時に助けてくれるのはやはり同僚や上司です。特に会社独自のパイプラインを把握するまでには数ヶ月はかかるのでその間何度も色々な事を聞かざるを得ない状況になります。また、トラブルシューティングもCGの制作をする上では大きな仕事の1つです。そういった時に何かを聞くのに毎回勇気がいるとか、よそよそしい雰囲気がある状態だと精神的に疲れてきてしまうので最初から積極的にコミュニケーションをとっておく事が本当に大切です。信頼関係を築くために自分でも仲間の力になれる事は積極的にしていきましょう!!また、デイリーやタスクの引き継ぎ時にはコーディネーターというサポート役の人が議事録をとってくれる事が多いので、それを読む事でタスクに対するたくさんのヒントを得る事ができます(もちろん全て英語です。。。笑)
 
パイプラインについてもう少し説明を加えると、例えば自分にビルのモデリングの作業が割り当てられたとして、それが完成して次の作業(ルックデブやライティング)を行う際、または次の作業担当のアーティストに作業を引き継ぐ際にそのモデルを社内的に公に共有するという工程があったりします。こういった皆で共有するルールや構造の事をパイプラインと言います。パイプラインの具体的なオペレーションは会社によって違うので入社後に学ぶしかありませんが、大まかな流れはどの会社でも大きくは変わりません。そこでその流れを自分の中でしっかりと整理しておく事ができればワークフローがイメージしやすくなり、仕事の効率がぐっと上がります。いくらモデリングやテクスチャリングの技術が高くともパイプラインがわかっていなければ作業は先に進まないんです。これはVFXを制作する流れにおいても同じです。そのあたりのフローを意識的に学んで少しでも不安要素を取り除いておく事が海外のVFXスタジオで楽しく働くための近道だと僕は思っています。具体的に新しいパイプラインの知識を得たらつどメモをとって流れを明確にしていきましょう!!!海外では日本に比べて転職する事も多いのでこれらを意識しておく事は新天地にすぐに馴染んで効率良く作業する上でもとにかく重要です。
意識しておきたい事おさらい
・同僚と積極的にコミュニケーションをとっておく
・VFXの基本的な作業の流れを勉強しておく
・パイプラインの大筋を頭の中で整理しておく

最後に。

今回は仕事の流れについてまとめさせて頂きましたが、少しシビアな部分も紹介させて頂いたので海外で働く事に対して不安を感じた方もいるかもしれません。しかし大丈夫です!!!英語が全く話せず、映画業界での就労経験のなかった僕が今こうして働けているのですから!!笑 そして海外の職場の雰囲気は日本と比べると驚く程和やかな雰囲気で上司との関係性も硬い雰囲気ではない事が多いです。
例えば社内チャットはいつも、ジョークや面白いgif画像を含めた仕事以外の話で溢れていたりします。皆それぞれリスペクトしながらも、和気あいあいと作業している様な和やかな感じです。そういった環境で働いてみて初めて日本人は本当にまじめな人種なんだなと初めて気がつきました。
海外で働いてみると問題に直面する事もありますが、今回の記事で触れさせて頂いたいくつかのポイントを意識すれば徐々に自分のペースで働く事が出来る様になっていくと思います。
 
今回も最後まで読んで頂いてありがとうございました!!!
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