このページの目次
はじめに。
・アニメーション付きモデルをStandInとして書き出す方法(上級編)
まずはこの様な森を作るところから始めます!!
そのあとに上級編もありますので是非参考にしてみて下さい!!!
1.モデルの準備とStandInの作成
まず木のモデルを遠景で使用する場合は可能な限りポリゴン数を減らしてレンダリング負荷を減らしましょう。
今回はSpeedTreeで作った以下の3つの木を用意しました。
それぞれ葉の色も緑っぽいものや黄色っぽいものと差をつけました。今回は機能の紹介という事で3本しか用意していませんが、実際には同じ木のモデルでも色のバリエーションが複数あった方が、最終の見栄えが良くなります。
SpeedTreeについては「形状に沿った木を作る方法」や「SpeedTree ツタの作り方」の記事でも色々なTipsをまとめてありますのでよかったら参考にしてみて下さいね!!!もちろんモデルはネットでダウンロードしたものでも構いません。
特に遠景で使用する場合はローポリゴンモデルであっても見応えのあるクオリティにできるので、質にこだわりすぎなくても大丈夫です。むしろ木が生えているエリアの説得力や、スケール、色等のランダム感の方が重要かなと思います!!
木のモデルを準備したら、モデルが原点にあり、TranslateやRotate、Scaleの値が0になっていることを確認してください。
Export bounding boxにチェックが入っている事を確認しましょう。
また、今回はMaya2020を使用していますが、それよりも古いバージョンの場合はStandInの書き出しが少し違う位置にある場合があるので注意して下さい。
これで森を作成する準備が整いました。
2.Mashを使ってモデルを複製、配置する。
するとMash Networkができあがりますが現状では三種類の内一種類の木しか表示されていないはずなのでIDノードを追加を追加して他の種類の木も複製されるように設定します。
今回は地面用のモデルとしてシンプルな平面を作り、ソフトセレクションで少し凹凸をつけてみました。
これで地面のモデルの形状に沿って木が複製されました。
しかし、木の角度が地面に沿って極端に斜めになってしまっている箇所があるので直立する様にCaluculate Rotation(回転の計算)のチェックを外します。
更にスケールや回転をランダムにして複製感を和らげるためにRandomノードを追加します。
以下のパラメータをviewportを見ながら好みの状態になるまで調整します。
改めてMash_DistributeのNumber of Pointsの値を調整して木の数をイメージに近くなるまで増やします。
これで多数の木を複製して配置する事ができました。
レンダリングする際はDirectional Light等を横から当てるとそれぞれの木に影が落ちてクオリティが高く見えます。
最後にArnoldのaiフィジカルスカイを追加して各パラメータで空の色や明るさ、太陽の位置を調整して森の完成です!!このレンダリング結果を見ると色のバリエーションが画に良い影響を与えているのがわかると思います。
リファレンスとなる画像を良く見て、それに近いカラーバリエーションを作る事を意識すると説得力がでます!!!
上級応用編
まずは上級編で紹介する内容を紹介します!!これらの内容は僕が海外スタジオで働きながら頻繁に使っているかなり実用的なTipsになります。これらのTipsを利用して山や森を作成し、建物や人を配置する事でクオリティの高い背景CGを作成する事ができます。
どれも僕が日本を飛び出して海外スタジオで映画に携わる現在までに少しずつ蓄積してきたノウハウです。特に背景CGの制作に関して基礎よりも一歩上のクオリティを目指したいという方には必ず役に立つ内容になると思います。
Ex.1 実際の地形のデータから山を簡単に作成する方法
無料で使える地形データのダウンロードサイトの紹介と使い方、そしてそれを元に山をモデリングする方法を紹介します!!
Ex.2 任意の部分にモデルを複製配置する。
例えば下記イメージの用に崖の斜面の部分には木を生やさず平らな部分に木が生えるように制御したいという場合です。そんな時の為にMashには任意の部分のみにモデルを配置する機能があります。Mayaでペイントする方法とSubstance PainterやMariを使ってハイクオリティーなマップを作って制御する方法を紹介します!!
その他にもマニュアルで任意の場所にモデルを複製する方法も紹介します。
Ex.3 フォグの追加
最終的なクオリティを上げる為にフォグを追加する事は特に背景CG制作では必須です。上級編ではモデルの複製・配置(レイアウト)だけでなく、フォグの追加方法と更に少しランダム感を加えて質感をアップする方法を紹介します!!
Ex.4 アニメーション付きモデルをStandInとして書き出す方法
基礎編でまとめたStandInの機能ですが、実はその際にライトを含めたりアニメーション付きモデルのデータを書き出して複製する方法があります。遠景で人を配置してショットに説得力を出したい時に使えるtipsです。
以下は簡単に作った群衆の作例です。
かなりボリュームのある内容となりますが、これら全てのTipsをひとつひとつ解説していきます!!!
そして、これらの技術を組み合わせて作った僕のパーソナルワークの一例がこちらです!!
全てMayaのMashとStandInを使っています。
この作品では木と家と小さなアセットを全てStandInで書き出し、後方の山に生える木々はMashで配置しました。
遠方の木も含めてレイアウトは9割方mashで制御しました!!
この作例ではSubstance PainterとMayaのMashを組み合わせて木を配置しました。 崖の形状に沿ったレイアウトをする事で画の説得力が格段に上がりました。
この木の作例では落ち葉や雑草、藻等のモデルをマニュアルで塗った箇所にMashで配置しました。
アニメ面白ネタまとめ記事もありますので、仕事で疲れた時は楽しんでみてください!!笑