【キャラクターモデリング】第六回Advanced Skeletonを使ったリギング/使い方、手順とポイントまとめ

はじめに。

こんにちはマサ(@annoonblog)です!!キャラクターモデリングの記事も今回でついに第6回目となりました。前回SubstancePainterでのテクスチャリングが終わったのでこの記事ではリギングについてのフローを紹介させて頂きます。次回mixamoを利用してアニメーション付けをする形でこのキャラクターモデリングに関する記事は完成という形になるので、もうほとんど終盤ですね!!
 
この作例ではAnimation Studiosという会社が提供しているAdvanced Skeletonというリグ作成プラグインを使用しました。
僕はCGアーティストとしてのキャリアをスタートする前にカナダのVancouver Institute of Media Artsという学校でVFXを学んだのですが、その際にこのプラグインを利用した実習があったのでなんとなくフローが分かっていた事と、実際にCG業界でも利用している会社が多いという事で改めて学んでおいて損はないかなという事で選んだ形になります。(僕が映画業界での職務経験ゼロから海外でハリウッド映画に携わるまでの試行錯誤の日々をまとめた記事はこちらです)
 
プラグインといっても自主制作で使用する場合は無料で使えるので安心してくださいね!!リグの組み方だけでなく、そのインストール方法から紹介させて頂きます!!
 
それでは次回のキャラクターモデリング作例最終章に向けて今回も気合を入れていってみましょう!!!

 

この記事で覚えられるTIps
・Advance Skeletonのダウンロードとインストール方法
・背骨のジョイント数の調整
・ジョイントを配置する上でのポイント
・モデルとジョイントをバインドする方法
・スキンウエイトの調整

1.Advanced skeletonをインストールする

まずはAnimation StudiosのダウンロードページにとんでLatest Versions(最新)のAdvanced Skeletonをクリックします。
そしてダウンロードしたファイルを解凍します。その中に「Install.mel」というデータがあるのでこれをmayaのviewポートにそのままドラッグ&ドロップします。

するとCustomシェルフにAdvanced Skeletonのツールがインストールされます。セットアップはこれで完了です。
無料な上にインストールもものすごく簡単でリグも組みやすいなんて本当に神の様なプラグインですね!!!

2.プリセットのインポートと調整

リギングを始める前にまずはモデルのトランスフォームの値が全て0になっている事を確認しましょう。もしもなっていない場合はモデルを原点に配置して、Modify→Freeze transform、Modify→Reset transformを行なって下さい。余計なデータをクリアするためにDelete historyも行なっておきましょう。もちろんScaleも1になっている事が理想です。
会社によって規則に色々と違いがあると思いますが、モデルを次の作業に引き渡す際やテクスチャリングをする為に書き出すといった引き継ぎ段階に差し掛かった時には必ずこの様な作業をしてモデルを綺麗な状態にしておく事が重要です。

ここから実際に人型の骨をインポートして自分が作ったモデルに合わせて調整する作業になります。
カスタムシェルフにあるadvanced skeleton の5のアイコンをクリックします。
新しくウィンドウが開くのでbodyタグの部分でbipedを選択し、importをクリックします。

すると人型のジョイントが表示されます。この時点ではジョイントが半分しか表示されませんが、のちの工程で自動的にシンメトリー処理が行われるのでこのままで大丈夫です。

ジョイントのスケールが小さい場合は、Fit Skeletonを選択してスケールをモデルと同じぐらいまで大きくします。

背骨のジョイントの数の設定方法

背骨のジョイントはデフォルトでは1本になっています。増やせばその分可動域が増えて表現の幅が増えますが、その分ウエイトの調整等の手間も増えるので、その辺りを考えて本数を決めるといいと思います!!一般的には3-4本仕込む事が多い様です。
 
まずRootジョイントを選択します。次にBodyタグ、Editタグと進み、その中にあるReSampleをクリックします。

新しくウインドウが開くのでJointsの部分を3から5に変更してResampleをクリックします。これで新たに2つジョイントが追加されました。

これで準備が整ったので、各関節部分を選択して位置をモデルに合わせていきます。
関節部分を移動しようとするとその関節よりも階層的に下に位置するジョイントまで一緒に動きます。このままでいい時はいいのですが、特定の関節を個別に動かしたい時はDキーを押しながら移動するとその部分だけを動かす事ができます。

配置する上で気をつける事

ジョイントの位置の調整は基本的に解剖学的な情報に基づいて行います。いくつかポイントをまとめてみました。

・鎖骨の位置が実際と合う様に注意
・肩はちょうど脇の上に配置する(この位置がずれると元のモデルと肩幅が変わってしまう)

・背骨は少し後ろ寄りに配置(角度にも注意する)

・肘のジョイントは少し後ろ寄りで若干曲がった状態にする

・膝のジョイントは若干前ぎみに配置する
・足首はくるぶしの辺り

3.リグの作成

調整が終わったらBodyタブBuildタブと進み、ReBuild Advanced skeletonをクリックします。
すると自動的にリグが生成されます。

4.バインドする

今の段階ではリグとモデルが紐づいておらず、リグを動かしても何も動きません。そこでバインドという機能を使ってリグの情報がモデルに伝わる様にします。
まず、はじめにモデルを選択します。次にDeformation systemの中にあるROOT_Mを選択します。その状態でRigging→Skin→BindSkinの右側の四角をクリック。設定ウィンドウが表示されるので、Bind toの部分をJoint hieralchyにしてバインドを実行します。
これでモデルとリグが連動する様になりました!!!

5.スキンウエイトの調整

ここからは関節を曲げた時にモデルが適切に変形する様にスキンウエイトの調整を行います。半分調整が終わった後ミラーリングするので片側だけ行う形で大丈夫です!!
ひとつひとつの関節を曲げてみて形がおかしい部分を修正していきます。例えば下記画像の様な部分になります。
具体的な調整方法としてはRigging→Skin→Paint Skin Weightsを選択して該当部分のウェイトを追加する形で塗るか、削る形で塗る作業を繰り返して調整します。
ウエイトは真っ白の状態でモデルがジョイントに100%くっついてくる状態、真っ黒がくっついてこない状態です!!少し根気がいりますが、ひとつひとつ丁寧に塗っていきましょう!!

塗り終わった箇所はロックしておくと便利です。

Shiftを押しながら塗るとスムーズがかかり、ctrlを押しながら塗るとスキンウエイトを削る(黒くする)ことができます。
調整が終わったら最後にRigging→Skin→Mirror Skin Weightsをクリックしてウエイトをミラーリングして完成です!!
ちなみにAdvanced skeletonのリグはすごく優秀で例えば下記イメージの手の部分(黄色)を選択してChannel Boxにあるパラメータを調整すると指を曲げたりすることもできて便利です。
これでようやくモデリング、テクスチャリング、リギングが終了して自分のキャラクターを好きに動かすことができるようになりました!!!
ここまでに沢山の工程がありましたが、一度理解してしまえば次にもう一度チャレンジする際はかなり効率よく作成できると思います。

今後も役立つ情報を発信していくのでTwitterフォロー是非よろしくお願いします!!!

Autodesk(オートデスク)

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アニメ面白ネタまとめ記事もありますので、仕事で疲れた時は楽しんでみてください!!笑

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