【キャラクターモデリング】第五回Substance Painterを使ったテクスチャリング

はじめに。

こんにちは!!小山順之(@annoonblog)です。第五回となった今回はついにサブスタンスペインターを使ったテクスチャリングについての記事をまとめました。ここまでモデリング作業からUV展開、そしてカラーIDの割り当て等Mayaを使ってたくさんの作業を行ってきたのでテクスチャリング作業は少し気分転換になって楽しいのではないかなと思います。
色を塗ってしまえばあとはリグを組んでアニメーションをつけるだけなので、この辺りからついに後半戦に突入です!!

それではさっそくいってみましょう!!!
この記事で覚えられるTIps
・シンメトリー機能の使い方
・直線の引き方
・エッジの周辺に汚れを追加する方法
・FIllレイヤーを使って汚れを追加する方法
使えるショートカット
Shift+ペイント→直線を引く
C→カラーチャンネル表示
B→ベイクした各マップの切り替え
X→カラーの切り替え
]→ブラシサイズを大きくする
[→ブラシサイズを小さくする

1.マップのベイク

サブスタンスペインターを開いたらまず前回の記事(キャラクターモデリング/UV/カラーID編)で作成した”_low”モデルを読み込みます。
今回は5UDIMあるのでUV tileを使うという部分にチェックを入れました。解像度はいつでも変更可能なのでとりあえず2048を選択しました。

モデルを読み込んだら早速マップをベイクします。マップのベイク詳細に関しては(Substance Painterの使い方準備編)を参考にしてみて下さい。前回の記事で説明した”_high”モデルの活用の仕方も含めて丁寧にまとめてあります。

前回の記事で紹介させていただいた通り各パーツにきちんと別のマテリアルを適用できていれば下図の様にTEXTURE SET LISTが分割されます。今回は髪の毛とジャケットとその他のパーツの3つに分けました。これによってジャケットを非表示にしてシャツのペイントをしたりする事ができて便利です!!

無事にベイクが終わると下記画像の様にMayaで割り当てたカラーIDが読みまれます。その他に今回はアンビエントオクルージョンやCurvature mapもベイクしました。これらのマップの表示の切り替えはBキーでできます。

カラーID
アンビエントオクルージョン

2.ベースカラーを塗る

マップをベイクし終わったらモデルにベースとなる単色の色を塗っていきます。この工程はMayaでカラーIDを割り当てたので比較的簡単に終わると思います。効率が良くて素晴らしいですね!!!

まずは新規Fillレイヤーを作成して、塗りたいベースカラーを選びます。そしてそのレイヤーを右クリックしてAdd mask with color selectionを選択します。
そしてBキーを押してカラーIDを表示したらPick colorというボタンをクリックして、色を塗りたいパーツの部分を再度クリックするだけです。

これで顔は肌色、ジャケットは茶色等、下記画像の様にそれぞれのレイヤーを作りながらベースカラーを塗っていきます(この作例ではパーツ毎にグループを作りました。SubstancePainterのレイヤー構造はPhotoshopと同じ様な感じです)

カラーIDを使ったベースカラーのペイントに関してもう少し丁寧な解説は(Substance Painterの使い方準備編)にあります!!
各パーツにベースカラーを塗り終わった状態がこちらです。

3.ディティールのペイント

ベースカラーを塗り終わったら、細かい線や影等を塗り込んでいきます。
 
今回僕は顔から始めました。デフォルトで必要になりそうな影や輪郭線をリファレンスを見ながら丁寧に描いていきます。リヴァイ兵長は目元の彫りが深いのでそのあたりの影や、鼻の下、口元、耳元等に影を足していきました。目に関しても瞳孔の部分やハイライトを追加しました。
顔はキャラクターの魅力に大きく影響する大事な部分なのでとにかく参考画像を何度も見て丁寧に塗る事を心がけていきましょう!!

この時基本の部分はシンメトリー機能を使って左右同時に塗ってしまうと楽です。シンメトリーにするには下記アイコンをクリックします。
そしてSettingsの項目の数値を調整すると中心となる線の位置を変更できます。

顔が終わったら、次は髪の毛のペイントに進みます。今回は毛先の部分は黒、生え際から中間部分は灰色といった感じで塗り分けて、さらに白に近い灰色でハイライトを入れました。直線はShift+クリックで引く事ができます。

さらに肩や胸にあるジャケットのロゴを塗る時にはプロジェクション機能を使うと便利です。これに関してはSubstance Painterの使い方ペイント編の記事にやり方をまとめたので参考にしてみて下さい。

4.汚れの表現

最後にせっかくSubstancePainterを使っているので、立体機動装置のエッジ付近に汚れを追加してみたいと思います。
まずは画面下部にあるSmart materialからレイヤー部分にDirtをドラッグします。それだけでエッジ周辺に汚れが追加されます。必要以上に適用されてしまった部分に関してはマスクを作って黒いブラシで塗って削ってしまいましょう。

更に、エッジ部分だけでなく、ベースカラーに汚れた質感を加えたい場合は、Fillレイヤーを作りBase Colorの部分に汚れ系テクスチャを適用します。今回はGrunge系テクスチャを選択してみました。それだけだとベースカラーが見えないのでFillレイヤーの合成モードをNormalからMultiplyに変更し、Level補正や不透明度を調整して整えます。

合成モードNormalの状態
 合成モードMultiplyの状態

意識した事

今回ペイントしている時に僕が意識した事は光と影にいくつかの段階を作る事です。例えば影で言えばコンタクトシャドー(濃い影)と中間の影、そして薄い影といった様に色を分けて塗るとクオリティが上がります。最終段階でそれぞれをカラー補正する事でバランスを整えたりする事もできるのでレイヤーを分けておくととても便利です。
この様な流れで作成したテクスチャをMayaで読み込み、適用して、第二回の記事で紹介した簡単な輪郭を作る機能を使った結果以下の様な状態になりました。
 
ようやく完成系が近づいてきたという感じですね!!!

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次の記事:キャラクターモデリング/リギング編

アニメ面白ネタまとめ記事もありますので、仕事で疲れた時は楽しんでみてください!!笑

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